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食事と運動

骨を強くする食事

骨密度を低下させない食事療法

カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨の形成に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。 カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。
また、高齢になると、食の好みが変わったり、小食になったりしてタンパク質の摂取量は不足する傾向があります。 タンパク質の摂取量が少ないと骨密度低下を助長しますので、意識して摂取しましょう。
栄養やカロリーのバランスがよい食事を規則的に摂るのが、食事療法の基本です。

♦カルシウム
牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など
※ 骨粗しょう症や骨折予防のためのカルシウムの摂取推奨量は、1日700〜800rです。

カルシウム、牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など


♦ビタミンD
サケ、ウナギ、サンマ、メカジキ、イサキ、カレイ、シイタケ、キクラゲ、卵など

カルシウム、牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など


♦ビタミンK
納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなど

カルシウム、牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など


♦控えめにしたい食品、避けたい嗜好品など
スナック菓子、インスタント食品の頻繁な摂取
アルコールの多飲
カフェインを多く含むコーヒーの多飲
タバコ

カルシウム、牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など
日光浴でビタミンDがつくられる
カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でもつくられます。夏の直射日光を長時間浴びることは、皮膚が赤くなるなどダメージにつながりますが、適度な日光浴は骨の健康に役立ちます。
冬であれば30分〜1時間程度散歩に出かけたり、夏であれば暑さを避けて木陰で30分程度過ごすだけで十分です。 屋内で過ごす時間が長い高齢者や、美容のために過度な紫外線対策を行っている人では、ビタミンD不足が心配されます。運動をかねて積極的に外出する機会をつくって、上手に紫外線と付き合っていきましょう。

骨を強くする運動

骨は、負荷がかかるほど骨をつくる細胞が活発になり、強くなる性質があります。 散歩を日課にしたり、階段の上り下りを取り入れるなど、日常生活のなかでできるだけ運動量を増やしましょう。
骨折予防に有効な運動は、ウォーキング、ジョギング、エアロビクスなどがありますが、ご自身の体の状態にあわせて無理なく続けることが大切です。骨粗しょう症治療中の方や膝に痛みがある方は、運動を開始する前に医師に相談してください。

カルシウム、牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など

ここでは家の中でも手軽に行えて、骨密度低下防止に効果的な運動を紹介します。

開眼片脚立ち(ダイナミック・フラミンゴ体操)
フラミンゴのように片脚で立ちます。不安な方は壁やテーブルにつかまりながら行ってもかまいません。体重を片脚に乗せることで、両脚立ちの倍の負荷を与えることができ、骨を強くする効果があります。バランス感覚が鍛えられるので転倒予防にもなります。

カルシウム、牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など

余裕のあるときはストレッチも追加しましょう

ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ
壁に手をついて、体を支えながらふくらはぎとアキレス腱を伸ばします。
  1. 前に出した方の脚の膝を曲げて体重をかけていき、後ろの方の脚のふくらはぎを伸ばします。
  2. 後ろの方の脚の膝を曲げ、アキレス腱を伸ばします。片脚30〜40秒ずつを左右交互に行いましょう。

カルシウム、牛乳・乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など


背筋を伸ばすストレッチ

<立った姿勢で>
壁から20〜30cm離れて立ち、壁に沿って両手をできるだけ上の方にのばします。

<イスに座って>
頭のうしろで手を組み、両肘をできるだけうしろのほうに引き、胸を開きます。

家の中の転倒に注意
長年住み慣れた家は安全と思いがちですが、意外にも高齢者の転倒事故の多くが、家の中で起こっています。転倒事故の発生場所として多いのは、居室、階段、玄関、洗面所や浴室などです。高齢者の転倒は、視力や筋力が衰えるなどなど身体的な原因のほか、住環境、服薬状況など様々な要素が重なり合って生じます。
若い人にとってはなんでもない僅かな段差も、高齢者にとってはつまづきの原因となることがあります。
骨粗しょう症の方は治療を受けることはもちろんですが、骨折のきっかけをつくらないことも重要です。 改めて身の回りをチェックして、転倒リスクを下げる環境づくりに取り組んでみましょう。

定期的に骨密度検査へ

症状が無くても、女性は40歳を過ぎたら定期的に骨密度検診を受けましょう。
わが国では、40歳以降の女性を対象に5年刻みに骨密度の節目検診が行う自治体が多くなっています。 特に閉経後の女性は、可能であれば1年に1度検診を受けるとよいとされています。 骨密度検診は、お住まいの地域の広報誌やホームページ、保健センターに問い合わせするなどして確認できます。
検診で骨密度が減っていると判定された人は、指示された時期に医療機関で診断を受け、治療の時期を逃さないようにしましょう。

ロコモティブシンドロームの原因(骨粗鬆症)