上手にカルシウムを摂って骨元気を目指そう(1)
〜1日コップ1杯の牛乳を飲もう
2016年12月2日
骨粗しょう症の根本的な原因は、骨の材料となるカルシウムの不足です。カルシウムは体内でつくることができないので、普段から食事などで摂る必要があります。しかし、欧米に比べて、乳製品をあまり摂らない日本の食習慣はカルシウム不足を招きやすく、カルシウムの推奨量である650mg(成人女性の場合)を、ほとんどの人が満たしていません。
特に閉経後の女性など、骨粗しょう症になりやすい人は、推奨量より100mg多く摂ることをが勧められています。
カルシウムを多く含む食品には、乳製品や豆腐などの大豆製品、骨ごと食べられる魚、小松菜などの緑黄色野菜などさまざまあります。ところが、カルシウムは吸収されにくい栄養素で、たくさん食べたとしても、体内に吸収されるカルシウム量はとてもわずかです。カルシウムの吸収率は食品によって異なり、小魚などの海産物では約30%、緑黄色野菜にいたっては18%程度しかありません。
1日1杯の牛乳でカルシウム摂取の目標値を達成しよう
そこで、効率のいいカルシウム摂取のためには、毎日の食事に乳製品を積極的に取り入れることが勧められます。実は乳製品のカルシウム吸収率は他の食品と比べて高く、50%もあります。その上、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやたんぱく質といった栄養素も含んでいます。
実際、若い頃から牛乳をよく飲んでいる人は、骨にカルシウムの貯金ができるので、年齢を経ても骨が強いことがわかっています。脚の付け根の骨折(大腿骨頸部骨折)を起こした人を調べたところ、若いときに牛乳をまったく飲まなかった人は50%もいる一方で、よく飲んでいた人は20%しかいませんでした(日本整形外科学会調べ)。
さらに牛乳には、骨を丈夫にするカルシウム以外にも、良質のたんぱく質、各種ビタミン、脂質、ミネラルなど、赤ちゃんを育てるために必要な栄養素が多く含まれています。完全栄養食品の牛乳は、免疫力を高めたり、さまざまな体の機能を調節したり、安眠や精神安定に働いたりと、毎日を元気よく過ごすのに大切な役割を果たしてくれるのです。
牛乳を飲むとおなかを壊すという人も、温めて少しずつ飲みながら量を増やしていくと、次第に慣れて飲めるようになります。また、低脂肪乳や無脂肪乳でもカルシウムの量はほとんど変わりませんのでコレステロールが気になる人は、こちらを選んでみてもいいでしょう。コップ1杯で、骨を強くするのに必要なカルシウムの目標量を達成しやすくなるので、毎日牛乳を飲むことを習慣にしましょう。