骨粗しょう症 トピックス 【 Vol.3 】

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寒い冬にはご用心(1)

冬は転倒・骨折をしやすい季節

2017年2月1日

冬に多い高齢者の骨折

骨粗しょう症になると、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。骨折する人の割合は年齢とともに高くなり、特に冬の寒い時期に増える傾向にあります。
雪道や凍結した道路で転びやすいのはもちろんですが、寒さで体が縮こまると、普段ならなんでもない場所でも転びやすくなります。
転倒は野外だけでなく、住み慣れた家の中で発生することも少なくありません。寒い冬の日でも安全に過ごせるように、毎日の生活を見直してみましょう。


温度差に気をつけよう

暖房のきいた暖かい部屋から家の外に出ると、急激な温度差で体がぎゅっと縮こまります。筋肉が硬くなってしまうと、知らず歩幅が狭くなったり、背中が丸くなったりして、体のバランスが崩れやすくなります。寒い時期の外出は、いきなり冷たい外気に身をさらすのは避け、出かける前に家の中で数分間足踏みをするなど体を温めるとよいでしょう。寒いとついポケットに手を入れたくなるものですが、とっさのときに手で体を支えることができず危険です。手を振って元気に歩くことができるように、暖かい服装と手袋をつけて出かけましょう。

暖房のきいた暖かい部屋から廊下に出たときや、お風呂、トイレなど、急激な温度変化によって血管が収縮して血圧が急上昇してしまうことがあります。このように心臓や血管に負担がかかる状態を「ヒートショック」といいます。
ヒートショックが原因で、ふらついて転倒することもありますので、家の中の急激な温度差を減らしたり、とっさのときにつかまれるように手すりがあると安心です。
朝目覚めた時なども、暖かい布団の中からいきなり出てしまうと、部屋の寒さで体がびっくりしてしまうこともあります。布団の中で体を伸ばして筋肉をよくほぐし、すぐに羽織れる服を枕元に置いて、急な温度差に体をさらさないようにしてください。


骨の健康のために日光浴不足や運動不足を解消しよう

寒いと、外出がおっくうになり、家にこもりがちになる人も多いのではないでしょうか。しかし、 骨は負荷をかけるほど骨芽細胞が活発に働き、骨にカルシウムが沈着しますので、家の中に閉じこもっていると、骨も筋力も萎えてしまうばかりです。1度骨や筋肉が衰えると、元の状態に戻すには長い時間と努力が必要です。現在の骨量を維持していくために、寒い季節でもしっかり体を動かしたいものです。
また、紫外線を浴びるとカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDが産生されます。冬は夏に比べると日照時間が短い上に、寒さを避けて外出の機会が減ってしまうことで、体内でつくられるビタミンDの量が不足しがちです。天気のいい日に30分程度の散歩をするなど、上手に日光を浴びるようにしましょう。