骨粗しょう症 トピックス 【 Vol.4 】

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寒い冬にはご用心(2)

〜咳やくしゃみで骨折?

2017年2月20日

かぜによる咳やくしゃみで椎体骨折になることも

空気が乾燥すると、かぜやインフルエンザにかかる人が増えてきますが、咳やくしゃみといった症状にも注意が必要です。
骨粗しょう症になると、わずかな衝撃や、物を持ち上げたとき、あるいは自分の体の重みで、背骨の骨がつぶれてしまうことがあります。これを「椎体骨折」と呼びますが、咳やくしゃみをきっかけに生じることがあるのです。

背骨は「椎骨(ついこつ)」という骨が積み重なってできています。この椎骨が折れてしまう椎体骨折は、骨粗しょう症による骨折の中ではもっとも多くみられます。70歳代前半の人では25%、80歳以上では43%もの人にみられ、しかもその半数以上の人で複数の椎骨が骨折しているとされます(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版)。

椎体骨折は大きくつぶれると痛みが生じますが、少しつぶれた程度では痛みがなく、気づかない人が多いのが特徴です。背中が丸くなる(円背)、身長が縮む、背中や腰に痛みがあるときは、椎体骨折のサインかもしれません。そのまま放置していると、背中を動かせる範囲が狭くなったり、内臓を圧迫して逆流性食道炎や呼吸機能障害などの合併症を招くこともあります。椎体骨折が疑われる人は、早めに受診をして骨の状態を調べてもらいましょう。


かぜやインフルエンザの予防を心がけましょう

骨折のきっかけをつくらないためにも、かぜやインフルエンザの予防をしっかり行うことが大切です。
体力が低下すると免疫力が落ちて感染症にかかりやすくなりますので、栄養バランスのよい食事と十分な睡眠をとって、かぜやインフルエンザのウィルスに負けない体をつくりましょう。
乾燥した空気の中ではウイルスが長く空気中にとどまり、感染しやすくなりますので、加湿器をつけたり、洗濯物を干すなどして部屋の湿度を保ちます。かぜやインフルエンザが流行しているときには、人ごみはなるべく避け、外出時にはマスクを着用し、帰宅したらうがい・手洗いを習慣にしましょう。