骨粗しょう症 トピックス 【 Vol.13】

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睡眠の質と骨の健康(3)

〜質の良い睡眠をとるための過ごし方

2017年12月19日

メリハリのある生活が睡眠の質を向上

長時間眠っているはずなのに「頭がぼーっとする」、「疲れがとれない」という場合、まず「昼間の過ごし方」に問題がないか見直してみましょう。例えば、朝は適当な時間に起きて、家の中でテレビを見て昼寝をする、というような過ごし方をしていませんか?このようなメリハリのない生活では1日の体温変化が少なく、夜になっても睡眠モードに切り替わりません。
体をすっきり覚めさせるには、朝食も大切です。朝食は、夜間に不足した脳のエネルギー源となり、心身の目覚めを促します。
また、家の中に閉じこもってばかりいると、どうしても生活リズムが単調になってしまうものです。できるだけ屋外で活発に過ごせば、心地良い眠りが得られるだけでなく、骨の健康を保つ上でよい効果を上げます。


上手に光を浴びると快眠&骨粗しょう症対策に

睡眠と深い関係にある体内時計は1日約25時間と、24時間より1時間長く設定されています。この1時間のずれを、毎朝太陽の光を浴びることで、脳にある時計がリセットします。そのため、遅くまで寝ていたり、カーテンで閉ざされた薄暗い部屋にいると、体内時計は修正されず、睡眠と覚醒のリズムはどんどんずれてしまいます。朝は決まった時間に起きて、まず光を浴びることで体内時計を整えることができます。

また、日光浴は睡眠だけでなく骨にも良い影響があります。カルシウムを腸管から効率よく吸収するのに役立つビタミンDは、日光に含まれる紫外線によって、体内で産生されます。屋内で過ごすことが多い方は、なるべく外出する機会をつくって日光を浴びるようにしてください。

逆に夜遅くまで強すぎる光を浴びていると、体内時計がずれて不眠の原因になってしまいます。夜間の部屋の照明を明るすぎないものにしたり、寝る直前のパソコンやゲームは控えるようにしましょう。



良質な睡眠へと導く運動と入浴のタイミング

日中に上がった体温は、夜に向けて急速に下がりますが、この下がり具合が急になるほど深い眠りにつきやすくなります。不眠に悩む人は、就寝前(夕方〜夜のもっとも体温が高くなる頃)に一段階体温を上げておくと、下がり方のカーブを急にして心地良い眠りにつくことができます。
そのために有効なのが軽い運動です。夕方に30分程度ウォーキングをすると体温が上がるので、夜眠るときに効率よく体温を下げることができます。雨で外に出られないときは、家の中でストレッチをするだけでも効果的です。
もう一つ、体温変化をスムーズにするのに有効なのが入浴です。入浴をすると体温が一時的に上がるので、その後に下がってくるときに生じる眠気を利用して上手に眠ることができます。効果的な入浴法は、眠る30分から2時間ぐらい前にぬるめのお湯にゆっくりとつかることです。熱すぎるお湯は交感神経を緊張させて、寝つきが悪くなるので逆効果です。

睡眠不足による昼間の眠気やふらつきは、転倒の原因となり、特に骨粗しょう症の人では転倒すると骨折につながり危険です。睡眠の悩みがなかなか改善しない場合には、医師に相談して、睡眠の質を向上させましょう。